第二十七章

ヘンリーは書類に記されたその名前を、長いあいだ身じろぎひとつせず見つめていた。たった一枚の写真が、彼の胸に抱いていたあらゆる希望を粉々に打ち砕いてしまったのだ。

六年に及ぶ結婚生活のあいだ、ソフィアはあの写真に浮かんでいるほど心からの笑みを、彼に向けたことが一度もなかった。

ヘンリーはずっと感じていた。ソフィアが自分を見るとき、その視線は自分を通り越し、別の誰かを見ているように思えたのだ。

病に伏したとき、彼女はうわごとの中でよくひとつの名前を口にした。

「サム」

ヘンリーと結婚するときでさえ、ソフィアは何ひとつ求めなかった。豪華な挙式も、高価な指輪も望まず、小さなスーツケースひとつ...

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